寺本さなえの一般質問 ③子どもの権利
2006年12月13日
虐待やいじめなど、「生きる」という子どもの最も基本的な権利がおびやかされる事態がなくなりません。子どもの権利を守るため、市はどんな取り組みを進めてきたのか、また策定中の「子ども条例(案)へのパブリックコメントは主にどんな意見が寄せられたのか、尋ねました。
第2次人権教育および人権啓発基本方針案に「子ども」という段があります。1989年に国連で「子どもの権利条約」が採択され、わが国も1994年に批准したこと。「子どもの意見の尊重」や「休息・余暇、遊び、文化的・芸術的生活への参加」など、子どもの人権について多くのことが規定されていること。子どもの最善の利益を考慮することをうたったこの条約の普及を図ることが課題であると明記された上で、支援のあり方が示されています。
ところが、(仮)宝塚市子ども条例案は「子どもの権利」をパシッとうたっていないのです。なぜか――。
「子どもは未熟な存在」「イマドキの子どもたちに“権利”だなんて」「指導しにくい」などという批判が出て収拾がつかなくなるからでしょう――この議論は、実は各地で起きているのですが、天賦不可侵の基本的人権というものが一体どの次元で理解されているのか、情けなくなってしまいます。子どもの権利条約を批准している国の自治体条例づくりで「子どもの権利」を抜けという意見が出ること自体、条約の普及が図られていないことの証明みたいなものですよね。
第15条「子どもの役割」もひっかかります。次世代育成支援行動計画を推進するための根拠条例と位置づけたなら、なぜ「子どもは・・・努めなければならない」などという条文が出てくるのか、理解に苦しみます。
さらに、子どもの意見表明の場を保障し、社会参加を支援していこうというなら、条例案づくりにおいても彼ら自身の参画を募るべきでした。意見募集の対象になった中2の保護者としてはちょっと残念。