震災26年 祈りの『生』
2021年01月16日
阪神淡路大震災から26年。今年も「1.17」前日の夕方から武庫川中州につくられた石のオブジェ『生』がライトアップされ、たくさんの人が追悼に来られたそうです。私は余部から戻って、ペットホテルに犬を迎えに行ったその足でここに来ました。
歳月とともに震災が遠くなってきた感はありますが、あの衝撃的な光景と余震の恐怖を忘れることはできません。その後のワンオペ育児と仕事のてんやわんやの綱渡り。薄皮を剥ぐように日常を取り戻していくときの喜び。春。親しかった同僚Iちゃんは永遠の26歳――そんなことが順不同で脳裏に浮かんできて、最後に私は祈ります。
あれから「被災地」は増え続けています。人びとを悼み、遠くのまちの復興を願って、私たちは毎年ここで祈りを捧げます。加えて今年はコロナの終息を誰もが願ったことでしょう。
現代美術家の大野良平さんが震災10周年に川の石でつくった『生』。流されては、また積み上げる。今では石積み作業から当日の演出まで、親子連れを含むいろんな市民が参加して、震災を語り継ぐ恒例行事になっています。私が決算審査のたびに言ってきたように、市長発の新たな追悼行事など端から必要なかったのです。 *もうひとつの「生」の前で