SSWに求められる専門性とは
2017年08月26日
武庫川女子大学で開催された日本学校スクールソーシャル学会第12回全国大会に参加してきました。「子どもの生活課題にどう向き合うか~スクールソーシャルワーカーに求められる専門性とは」がテーマです。
基調講演1「子連れシングルと子どもたち」の講師は神原文子さん(神戸学院大学)。ひとり親と子どもの生きづらさについて30年以上も調査してこられた先生です。2015年の子どもの貧困率は13.9%。ひとり親世帯の子どもの貧困率は50.9%で、なんと2人に1人。先進国では最悪の水準だそう。経済支援は改善に効果的ですが、それ以外に「文化的貧困」も度外視できないと述べられました。社会的排除から包摂へ。
基調講演2「スクールソーシャルワークの新たな射程」は、池埜聡さん(関西学院大学教員)。「エビデンスに基づくトラウマ理解を実践に生かすために」が副題です。長期にわたる逆境的な環境にさらされた子どもが抱えるトラウマは、精神保健や児童福祉機関への送致だけで解決できるものではないとし、SSWが果たすべき役割と今後の展開について語られました。
シンポジウムではおふたりをシンポジストに迎えて、子どもの生活課題にどう向き合うか、SSWに求められている専門性について意見が交わされました。コーディネーターは京都市のSSWと、宝塚市のSSW大塚美和子さん。専門用語が多く十分には理解できないまでも、興味深く拝聴しました。