スクール・セクハラの防止に向けて (一般質問その1)
2008年12月05日
セクシャルハラスメントという概念は、80年代後半にアメリカから日本に輸入されました。性的言動による嫌がらせ。その多くは女性が被害者となるケースで、これが人権侵害であり、犯罪につながることの理解が企業等ではようやく定着してきたところです。
しかしながら、認識そのものにおいても、対策においても大きく立ち遅れているのが「学校」です。スクール・セクハラの類型のうち、今回は圧倒的な力関係の下で発生する教職員と児童生徒間のものを取り上げることに――。
教育委員会に報告された事例は17年度から3件(うち1件は誤解と判明)。どうみても「氷山の一角」ですよね、わたしがPTAをしていた年だけでもっとあったわ!(怒)
小学校教諭が強制わいせつ容疑で逮捕されたいきさつは報道のとおりで、現在公判中ですが、問題は「復職にあたって適正な配慮はなされたか」。
校長が事情を聞いて、本人が否認、保護者には「誤解」か「スキンシップのつもり」か「行き過ぎた指導」として説明されるのがお決まりのパターンではないでしょうか。
今回も「否認しているので」処分なし。病休後、復職先の学校長には話が引き継がれていませんでした。
再発防止に向け、小中学校の指導主事を集めて研修が実施されましたが、事件が起きた時だけでは困ります。用務員や検診の医師が“やった”例もある。子どもへの啓発と相談しやすい環境づくりも必要です。
スクール・セクハラを防ぐためには、★ガイドラインの整備 ★継続的な研修 ★第三者機関による相談窓口と救済システム が不可欠――子どもの人権、スクール・セクハラ問題に詳しい専門家たちは口を揃えます。教育委員会での対応には限界があるのです。